宝塚雪組「華麗なるギャツビー」の思い出。

「グレート・ギャツビー」が、宝塚に続いて、東宝と梅田芸術劇場(で合ってるかしら!?)でミュージカル化されましたね。

それで思い出したのが、宝塚初演の雪組の「華麗なるギャツビー」。残念ながら、月組公演は観そびれてしまったので、雪組公演の思い出を書きたいと思います。

雪組公演は、当時、ミュージカル評論家からも高評価の話題作だった記憶があります。
杜けあきさんのギャツビー、鮎ゆうきさんのデイジー、一路真輝さんのニック、海峡ひろきさんのトム、美月亜優さんのマートル、早乙女幸さんのジョーダン、古代みず希さんのジョージ・・・思い返せば、主なキャストが皆さん、はまり役でした!フィッツジェラルドの原作がもと=あてがきではないのに、凄いことですよね。

中でも、やはり杜さんのギャツビーの影、包容力、大人の男の存在感は秀逸でした!宝塚版の主題歌ともいえる「朝日の昇る前に」を歌う前、海を見つめる後ろ姿に、男役は、後ろ姿でも魅せるものなんだなと感じたことを覚えています。

そして、鮎さんのデイジーも高貴な美しさがあり、素晴らしかったです。人妻であるだけではなく、その美貌ゆえに手が届かない存在として映る鮎さんの気高いデイジーが、杜さんのギャツビーをより際立たせたといっても過言ではない気がします。

そして、清潔感があり、とにかく美しいのに親しみやすく、憎めない一路真輝さんのニック。ゴルフ場でミスショットを連発する姿や、ジョーダンと恋の心構えを歌う「愛のファイナル・ショット」でのコミカルな演技など、陽性な雰囲気でギャツビーと好対照をなしていました。

他にも、当時、若手だった香寿たつきさんが、朱未知留さんと歌われた「レクエルド」の色気のある歌声など、観劇の思い出を挙げればきりがありません。

今回の「グレート・ギャツビー」は、宝塚と同じ小池修一郎さん脚本・演出ですが、作曲はブロードウェイでもご活躍のリチャード・オベラッカーさんとのこと。井上芳雄さんをはじめとするキャスティングも含め、また新たな、魅力的なギャツビーワールドが展開されていることでしょう。
私は残念ながら観劇予定がないのですが、作品の益々の発展を祈ります!

「ベルサイユのばら」で一番好きな曲:愛の柩

今日は、宝塚の「ベルサイユのばら」で私が一番好きな曲について書きたいと思います。

「ベルばら」といえば、「愛 それは 甘く・・・」という歌詞が印象的な“愛あればこそ”、アンドレが歌う“心の人オスカル”、フェルゼンがアントワネットを思って歌う“愛の面影”などが有名ですよね。

これらも確かに良い曲ですが、実は私が一番好きな曲は、フェルゼン(フェルゼン役のスターさん!?)がフィナーレで歌う「愛の柩」という曲なのです。愛する人がこの世を去った辛さを歌った曲なので、タイトルや歌詞は救いがないのですが、それに対して曲のアレンジは爽やかでアップテンポなところが特徴といえるでしょうか。

「ベルばら」という大作の観劇にあたっては、観客も集中力を使うので、多少の疲労感を覚えがち。
そんなとき、フィナーレでこの曲を聴くと、本編で感じた切なさはそのままに、新鮮な風が心を吹き抜けるような清涼感を覚えるのです。逆に言えば、メロディーが重くないからこそ、歌詞の切なさが際立ち、胸が痛くなるというか。

そして、私にとって「愛の柩」といえば、平成初の雪組の「ベルばら」にて、特別出演でフェルゼン役を演じた紫苑ゆうさんの印象が強いです。実は不覚にも、当時、生で観たフェルゼンがどなただったかの記憶が曖昧で・・・。

紫苑さんは、映像で何度も観ていたのですが、宮廷服が似合うスタイルといい品格といい、正に貴公子でした。そして、このときのアントワネットは仁科有理さん。「愛の柩」でも、同期生のお二人による息ピッタリのデュエットダンスがありました♪

ところで、私、最近まで、この曲は宝塚のオリジナルだと思っていたのですが、スカステのステージノートの再放送で、壮一帆さんが、シャンソンが原曲と仰っているのを聞き、驚きました!噂によれば、原曲名は「Rusty Bells」だとか。爽やかなアレンジは宝塚版ならではかもしれませんが、切なさの合うあの旋律がフランス生まれだったとは。フランスが舞台の作品と考えると、粋な選曲ですね。

因みに、一番最近、生で観た壮さんのフェルゼンも、爽やかさ、情熱、安定した実力で、本編も「愛の柩」も素敵でした!