「屋根の上のヴァイオリン弾き」:3人姉妹の新配役(実咲さん・神田さん・唯月さん)

最近、東宝制作の公演の詳細が続々と発表されましたね。
どれも新キャストが加わり、注目度大ですが、今日は「屋根の上のヴァイオリン弾き」について。

そして、主人公テヴィエの市村正親さん、妻ゴールデの鳳蘭さんなど、ベテランの方々もきっと素晴らしい演技を見せてくださると思いますが、今回は、テヴィエの3人の娘たちの新配役について書きたいと思います。

長女ツァイテルは、つい先月、宝塚を退団された実咲凛音さん。在団中の実咲さんには、歌・演技・ダンスと3拍子揃った実力派の娘役さんという印象があります。

そういえば、この役は、代々、宝塚の元トップの男役さんが演じてきた役なんですよね。書き出してみると、涼風真世さん、杜けあきさん、香寿たつきさん、匠ひびきさん、貴城けいさん、水夏希さんなど、錚々たる顔ぶれ!今回が初の元娘役トップさんと考えると、キャスティング側の実咲さんへの期待度の高さが窺える気がします。

つづいて、次女ホーデルは、つい先日、ご結婚が話題になった神田沙也加さん。
ホーデルは“愛する我が家を離れて”という、重要なソロナンバーがあるのですが、過去の公演では、本田美奈子さんの一途な歌が特に印象に残っています。
また、ダンスシーンでは、堀内敬子さんのホーデルが髪を揺らし、一際楽しそうに弾んで踊ってらした姿も覚えています。
健気さとチャーミングさを併せ持つ神田さんにも期待大ですね。

そして、三女のチャヴァは、最近、ミュージカルで大活躍中の唯月ふうかさん。
唯月さんは、「デスノート」の弥海砂役で拝見し、その芝居心に感心した記憶があります。若く溌溂としたキャラクターと声質はチャヴァにぴったりだと思うので、きっと魅力的に演じてくださることでしょう。

そうそう、この三人といえば、結婚する日を夢見て、モップを手に歌う「すてきな人をみつけてね」が、コミカルなミュージカルらしさがある可愛らしい曲で、見せ場だと思います。
ちなみに、全体的には「サンライズ・サンセット」は勿論、冒頭の「しきたりの歌」も迫力満点で、個人的に好きな曲です。

新旧キャストの共演で、さらに魅力的な公演になることを祈ります!

宝塚雪組「Shall we ダンス?」(スカステ鑑賞)

昨夜、スカイステージで宝塚雪組の「Shall we ダンス?」(2014年東京)を鑑賞。
原作がしっかりしているせいか、とても楽しめました!

原作は日本人らしい人間味のある身近なキャラクター設定が魅力でしたが、宝塚では、舞台をイギリスに移し、生活感をやや薄め、スマートさを加味した印象でした。宝塚ではそれ位の方が違和感がないのかも!?

たとえば、壮一帆さん演じるヘイリー役が妻子のあるサラリーマンであったりと、ある意味宝塚らしくない設定に関しても、変に所帯じみることなく、壮さんのもつ誠実な雰囲気が活かされているように思いました。

脚本・演出は、後の雪組で「ルパン三世」も担当された小柳奈穂子さん。
この頃から、名作を宝塚向けにアレンジするのがお上手だったんですね。

というわけで、ヘイリーの壮さんは、家庭をもつ男性の落ち着きに加えて、ラストシーンのエマのダンス相手として引けを取らないだけのスマートな格好良さがあって、映画版と宝塚版の良さを上手く取り入れた素敵な役作りでした。

そして、早霧せいなさんは、男役さんだとわからない位の華奢な身体のライン、女性らしい声で、ダンス教室の華であることが納得できるエラでした。この公演では、しっとりとしたエラ役と、ショーでの爽やかな男役のギャップも堪能できて、ファンの方にとってもお得だったのでは!?と今更ながら思ってしまった私です。

そして、愛加あゆさんのジョセリンも、主婦らしい可愛らしさと朗らかさ、ナチュラルな演技が印象的で、改めて芝居巧者だなぁと思わせられました。
そういえば、ラストシーンのヘイリーが、序盤でエラと組んだ後、後半はほぼジョセリンと踊っていたのは、トップコンビのデュエットダンスへの観客の期待感を意識してのことなのでしょうか。ヘイリーとエラがあやしい関係ではないことを踏まえても、微笑ましい演出だと感じました。

その他では、大湖せしるさんの強烈な弾けっぷりや、夢乃聖夏さんのコミカルな身のこなしも楽しかったです!

そういえば、今、大劇場で上演中の雪組「幕末太陽伝」も小柳さんの脚本・演出ですね。何とかチケットをゲットして観たいものですが、どうなることやら。